心を曇らす雨が降ると甦る ここでお別れをしたこと そして約束のこと 繋がりは頬に添えた指先...
「もう 一年だけ」 呟き 貴方 軋む体 糸に繋ぎ 時を待つ...
君を背に夜をそぞろ歩くよ ぼくら肩越しに愛を交わした ひび割れたその肌も綺麗だよ 眼窩の中は真白い虚ろ 消えてしまった 君はもう居ないけれども...
涙溜まりし私の胸へ飛び込むは 哀しみ帯びたる 八重桜 昨年(さくねん)の今頃 私はあなたと出会い...
それは闇さえ映す鏡 光より鮮やかに姿映し出す 隠せない指の隙間から 覗いてしまう誰かの笑み...
月明かりは静かに 波間の真白き泡を染めて 風の音は激しく 嵐の季節が訪れる...
しゃなり 通り過ぎゆく 彼のひとはよもぎ色の帯 色めかし菖蒲の袖 翻すは百合のようで 縹の色無地を召し 闊歩するはいとうつくし...
真白だった譜面の上に キミが最初にくれたもの いつまでも胸に残っている 戸惑いながら声に出したよ 「私はここに存在るんだ」と 装飾の無い叫びだったけれど...
幕が下りてゆく 刹那過ぎる物語(ストーリー) 色付いた街並 消える微笑 頬を伝ってゆく 涙の跡さえも 流れゆく時間に かき消されてく...
空に溶けてく花びら 手を伸ばしても届かなくて 指の隙間に広がる世界が...