自分が怖くなって 我儘さえ言えなくなってた 僕は弱虫だから でも泣き虫にはなれない 一人が怖くなっても 呼べる相手もいないので ラジオが奏でる雑音に 一人耳を澄ませていた...
泡沫の夜がやがて明けて 僕のことを攫(さら)って行けばいい 冷えた風が足元を抜ける 細い火が小さく燃えてる...
真白くいざよう月の円か 願いは風にさらわれて たゆとう空見上げた...
赤月 昇る山の辺 夕霧が水面を覆い 袖濡らし 手折る鬼灯(ほおずき) 誰そ彼の焔(ほのお)が宿りて暗く 常(とこ)の世がいくら変われど 世迷いて嘆き叫ぶ魂は 石の壁の中に 固い道の中に溢れて ああ ゆめしらず...
息を吐く 透明の流氷(ざえ)のあいまに 映り見る星空は 何も語らない 流れ着く 幾つもの気球の欠片 誰の居た面影も 雪に滲んだ...
果てなく広がる砂塵の海 君は何処へ 遙か彼方に何を見る? 記憶の水底に沈められた 道標 その先に何があるの?...
春の風が荒ぶ 轟き音が掻き立てる 開きたるは桃の色をした風物詩 溶けて雫ぽろり 真白の形失いて 季節変わる時は ぬらりくらりと魅せる...
息を殺していた 悪を恐れていた 蝶の番は無残に引き裂かれて 迫る影を許した 一人では門を開けない だけど二人では門を潜れない...
この嵐はいつ過ぎる? 目の前に広がるめくるめくスターロード 聴こえてくる歌は今日も僕らを潤す like a 如雨露...