腕 喉 耳 鼻 ここに居るのが私なの？ 何時からだろう 頬を伝うこの涙 なんか悲しいことがあったのかな 覚えてない 何も知らない この入れ物は誰？...
とっておきの赤い靴 高いヒール かかとならして 膨らんだスカートには たくさんの夢 忍ばせ...
とある洋館の言い伝え 再奥の部屋 開かずの間にて 新月の夜に開かれる 秘密の宴 鍵ノ間の宴...
くちぶえの音がしたら 振り向いた先にあなたの顔がある 春風が吹いて消えた...
花摘む輪乱して２匹の鬼が来た ２人で肩寄せると１人がどこか消えていった 呪いがこだましてニンゲン（弟）を壊した...
夏の空高く花化粧 色香折るは火薬の功と 咲き誇る華に色づける 化粧師が夢の後...
たとい千年生きたとて この世の全ての幽玄を たった二つの眼の奥に焼き付ける事など 出来はしないでしょう 燦然と流るこの現在を 愉しむ事さえ知らぬまま 永らう事ばかり考えたって 答えが出る筈もないでしょう？...
此の世の全ては悪徳欺瞞よ 卑屈の洟が咲く 弱きを優しさ言い換える舌は 舐め合う傷探す 爛れた思いに蠢く蒼い手「私を慰め手」...
今宵も照らすは孤独な箱庭 僅かに揺らぐは我が心 幽かな音に導かれ...
三日月が眠るようなこんな夜は 泣き濡れた君の事を思い出す 朝焼けの街はまだ 眠たげで 凍てついた時はまだ 動かない...