韓紅の陽が沈む頃 またあの場所へ体を運ぶ 初めて会った時刻は 数えたわけでも無いのに 脳裏に焼き付いている...
墨染の空 浮かんだ朧月 雲居に隠れ 闇を誘う 涼風が頬 真逆に掠めても...
背後に忍び寄る声 笑って手招いてる 沙羅双樹はお好きですか? この祭壇いっぱいに飾りましょう...
今夜 空に映る月は あの日見た朧鏡(おぼろかがみ) 行く先知れない別れ道を ぼんやりと照らしている...
バウバウと又、堂々と 処構わずに散らす咆哮 「さあ、どうぞ。噛み付いてみろ...
朝目が覚めたとき 私は海の底 明日目が覚めたとき あなたは何処だろう? 沙羅双樹のふりをして魅せるは盛者必衰...
春の陽射しに揺れてるタンポポ 懐かしさと ふと切なく鮮やかに咲くメモリー 夏の向日葵...
賢明な嘘はご愛嬌 さらば! 不埒な声で お上りはちょっと嫌い...
等しく与えられた其れを貴方は壊すの 今日まで誓われていた命など無かった様に 忠告虚しく 貴方は行ってしまうの...
娑婆の辟易 冷えた把手を握りしめて この都市からの逃避行...