鳥はその空が消えるのを恐れ やがては羽ばたくことをしなくなって 雪はその声を奪われることに...
若葉なびかせて 風は空まで運んだ 天に凍える金の月 見下ろす世界は色も見えない 乾く掌に 淡き花びら包んで...
窓辺に咲いた 名前も知らない花 記憶のなかに 消えてしまう 笑いあうだけの二人の行方なら...
いつまでも続けばいいと そう思ってた 見続ける 醒めない夢を...
巡り合わせは徒に 朝な夕な惹かれ溺れた 影追い慕う日々を 戯れに縁と信じ 何時しか憧れは 胸を包む火群と変わり...
混じり気のない あの透明な空を 月を見て君が言う 幼い頃の記憶を 辿る様に嗤う その顔は 恐怖を忘れ 痛みを忘れ君は 安寧している 指先に蝶 首筋に雲の糸 からまりほどけず...
【幕開】 仇は、目の前で眠っとった 今や 帳が空へ降りて 闇に 朧げな浮世月...
凍り付いてた私の心 融かす息吹は目と鼻の先 貴方が傍に居てくれるなら...
今宵の月の 光で目覚めよ今 己(おのれ)の胸に抱いた 槿(むくげ)の華 魂宿す 刃で切り裂け 荒れ果てた 地に咲き狂う金盞花(きんせんか)...
ひらりひらり 舞う花霞 朧気に移るはその姿 ひらりひらり 風花運び 伸ばした手するりとすり抜けた...