月がきれいな夜 桜の花が透けて見えた ちょっと怖いくらいに 明るい...
モノクロの街 揺れる人波 無機質な風に 震える夜空 うつむいて歩く 僕の横顔 掠(かす)めるように 飛び込んだ花弁(はなびら)...
屹度、忘れるね 私が居た事も 君が好きと云った此の聲から...
万感の想い込めて 声が枯れるまで叫べよ 君の花はまだ咲いたばかりだから 喜びも痛みも 遠い記憶に変わる...
月明かり ひらひらと 舞ふ蝶のあはれよ 休む葉も すゝる蜜もなく 落つるかばね 時明かり 雪は川 朝露に消ぬべく 日は巡り 死は生に 廻る廻る彼方...
時に咲く花の散るが如くに 人の世は移ろいながらも繰り返す 夢か現か知らない運命の 花は風に吹かれて何時かに散るらむ...
黒い猫 白い花 向かい合う 君は誰? 捨てられて 独りぼっち...
静かに降りだした雨はこの熱を奪い 震える声が闇に響く 暗闇に佇む月の眉...
夜空を照らす月明かり あなたの影に寄り添う私は 艶やかに舞う蝶のような 永遠(とこしえ)に咲き誇る恋の華...
鏡に映して 指で紅を引いて 格子の向かふの 夜空仰ぐ...