心にしまった遠き日の記憶を 何もせず歩いたひとりの面影を 瞳に映ったうつろう街並も...
市場でクローヴを売る君 ひと掴み こぼした 店主に怒鳴られ 俯き 腕を見つめる だから僕は 水たまりに チルタの魔法をかけた 夕暮れの裏通り 店主は転んだ...
灰色の ひとり雲 茜色 夕暮れも 影の街 囁きは 何もなく 覆い隠す...
何のため 誰かのために 生まれたのか わたしには 何があるのだろう わからないけれど 弾けてないギターで 歌えばわかるだろうか いつの日か 誰かのために 歌えるのかな...
夕暮れは月が隠した ほどなく溶ける 一切れの見上げた 夜空遠く...
夕暮れ待ち合わせた 二つの影 「まだ五分前だね」と君は笑う 薄まった血では 今日だけの魔法 その瞳に写り込む全ての物...
花を咲いて 裂いて 孔雀を惑わす 三次元の夢 夏と雪を混ぜる瞬きには 背理越しの轍(わだち)が沈む 這って 沿って 錯覚を生み出す 九次元の歌 赤く 赤く 星を染める ナブラの息 耳を塞いでった...
おじいちゃん あさの四時から 起きている おばあちゃん やたらおやつを だしてくる 僕たちの 将来不安 どうしよう 年金は いったいいくら もらえるの...
最高速で廻る世界 少年は想像に耽(ふけ)る 少年はいつも歩きながら 口ずさむ「空想の日の歌」...
蜩唄う 夏の 夕暮れ ゆらり ゆらり ただ 待ちぼうけ 思い返すは かの愛おしき 遠い空の人よ...