単衣抜ける風 茜空は夏の街 隣座る影ふたつ 視線合わず落とす 先の金魚掬いの網をするり抜けたのは...
宇宙の憂鬱が 通学路へ投げた鏡 ブルーなトキメキを 若者は見逃さないぞ! 土曜の制服で 先取るよ夏休みを ブルーな目印で 目指すはバツグンに澄んだ海!...
――忘れたくない「痛み」があるんだ 極彩色の庭園で 季節外れの 白く控え目に一輪...
朝焼けを待つ 私を見つけて ねぇ聞かせて 生者の声 黄昏に甘く響いているわ...
仄暗いくらいが性に合っているようだ 雑踏に飛び込んだってふわふわしてしまうんだ 品行方正気取ってすすり泣いてみようか...
朝空の星みたくなれたらいいと思う 汽車に乗った僕がいた 白い丘の上、一人 水溜まりの空を歩けば淡く灯火が揺れるような...
「ねえ、次は どこへ行こうか?」 楽しそうに君が凪ぐ...
空に澄んだ君の目は月のように綺麗だから 隠さないで笑っていてほしいんだ 足音に耳を澄ませて...
平行線になって遠くに群青が泳いで 共感覚になって瞳は焦がれた とりとめのない悩みも やりきれない後悔も...
薄明かり ため息 屋根伝いに聴く 玉響の一脈 ゆかしさにまばたき 帰り道の記憶 後ろ髪を引く 迎えにゆくよ ホラ 痛み分け...