大地神の娘を 見初めた冥王は 花を摘む娘を 冥界へと堕とした 花籠に一杯の水仙が遺された...
見えない硝子 数枚 挟んで 僕に遠い談唱を聞き乍ら 誰も何も呉れずとも 僕は此を作るんだ...
眠る此等が生命は 全て嘗て栄えしもの 太古に存在せしもの...
灰色の空を 寥かに降りて 微風に揺られ 足元にそっと立つ ふわふわ舞い飛ぶ 光のような...
三叉の歪みが疼き鳴る 柵にしがなしと酔いどれ這いどれ一介褪めたり 最たる沈みの何某か...
嗚呼 いつしか 思い出さないで 意識が生まれ 届く届く生体反応...
何だか知らん内 不和塗れ 強かな声に耐えれんくなって 今日、そっと家を出た 何処か遠くに行こうと思った けど行く当てなど何処にもない儘 禁忌とされている樹海へ迷い...
暗闇を通り 一人漉きながら 心の何処かで温もりを求めていたみたいで 蛍光灯色の明かりが消える...
私、分かんないよ 今も未だ 其処に不確かな想いを訊きたくないんだ せめての事を此処に置こう 遺して之くよ遺して之くからね...
私のことをどうかどうか見ていて欲しいんだと そうは言えど目玉は二つしかないもの そしたらまた背後を守って時々振り向こう...