振り返る見慣れた場所 柔らかく射す木漏れ日 確かにそこで見ていたあの日の面影 繋がるいつかのメロディー 明日に届けるメロディー...
薄暗いステージ わたしはひとり 傷だらけのギター そっと抱えて 届くあてのない詩(うた)を紡ぐ...
のぼる月が照らす影に 導かれて歩いた 立ち止まれば 聴こえるのは 咽ぶような波音 喪失感(かなしみ)は あらわれることもないまま募って...
頬杖で 見上げる遠くの空 雨雲が こころを覆い尽くす 教科書は ひとが生まれることの...
いくつの夜を 越えてもまだ 変わらない日々を 今日もうたう 振りまく笑顔の裏側に...
何もかも消え失せた町と 空っぽのわたしに雪が降る あの日を忘れたかのように 凪いだままの海 堆く積もった絶望 その中に希望を探すのは...
煤けた羽ひろげた天使が 今日もどこかで嗤(わら)う ただ儚く消えゆく生命(いのち)を じっと見下ろしながら 跪いたまま 見上げる空...
夜明けの部屋でひとり 冷たい壁にもたれ 手にした古い雑誌 色あせた表紙 シミだらけのページの隅で...