天竺楽の笛の音に目を覚ます なあ誰か居るんだろう ――何故俺はこんな所に居る...
しゃがれかけた 歌声 響く 引っかかる睫毛 きっと 耳障りと息を吐いて 歪み 纏い ノイズの ように ゆっくりと 僕の頭の中を 掻き乱した...
夢は終わった 目覚めて僕は知った 二分前の世界は...
思い返せばほら 笑い合った思い出たち 春の風 頬を撫で 卒業の日を迎えた すべてが 思うように うまくいった わけじゃないけれど...
気分が乗らない時の メールの件名はいつも 「そうか」とただ三文字で...
明けぬ夜の窓辺 膝を抱いて震えるあなたを 見つめることしかできなくて 口にしかけた言葉飲み込む...
忘れられない 小さなこと 言葉が今も響き続ける まだぼくは遠くの空を眺めている...
あの空を愛した 喪失と 悲しみに 虚無へとまどろむ...
いつも隣にいるのにけして 重なりあわない双つの記憶 僕を見つめる視線の先が 遠く果てに続くよう その忌むべき真実知れば 君が君でなくなりそうで...
体の中に閉じ込められている いわば 誰もが 人ごみの隅で自分を失くしたまま...