秋の海岸に吹く風は強く 滲む夕焼けが水面へと沈む 繰り返されてどこかへ流れても 変わらずに波音は響き続ける...
夜が白くなる頃、ふと思い出します。 五線譜に残ったあなたの愛の詩を。 都会の風に吹かれて、凍える私の指を、 優しくあたためていた、師走のあなたの笑顔。...
夏の終わり 学校帰り みんなで来た喫茶店 落ち着いていて大人っぽくて 優しいマスターがいて...
宙返りした「さよなら」が風に流されて消えてゆく 最後の最後 別れの瞬間 言葉は届いてくれない 肩を落として踏み込むペダル 長く続いた道の 片隅に咲く花の色がまた同じ季節を教えてる...
それは闇さえ映す鏡 光より鮮やかに姿映し出す 隠せない指の隙間から 覗いてしまう誰かの笑み...
よくある口説き文句の冗談 似つかわしくもない君の童顔 必死で探した言葉も震えてる 合わせた目逸らす柔な子じゃ...
淀んだ空間に苛立ち充満 数え切れない人の群れ 忙しそうに時計見下ろし 遅れに眉寄せる不寛容...
朱く染まる空を想えば 私の中また蘇る 触れることも知らない侭に 人に摘まれ消えて行く花の記憶...
雪の輝きが肌に凍みてゆく 街の明かりが隔てた夜 幾多の光に照らし出されても 手は暖める宛もなくて...
光の紡ぐ果てない空 熱い風の吹き付けるこの場所で あなたの溢れそうな言葉受け止めて 私は声を上げる...