灯が、滔、滔。 全部貴方の嘘でも良いから。 いつか、見せて。...
朽ちていくのは。 忘れていくのは。 壊れた昨日を、私は、ただ撫でていて。...
人間の感情を恐れる。 水に慄く猫のように。 狐を被って誤魔化した。 毛色の悪いその仮面は、...
結局アンプリファーのノブを目一杯捻っては、こんな悪態を始めてしまう。 私たちはあの汚い部屋の結末を忘れたわけではないでしょうに、 それでも緑色の薬物を混ぜ続けるのであります。...
アメリカ民謡研究会の編成に関する実験。 問。ギターは必要か。 お姫様が現れなくて、寂しかったのでしょうか。 小鳥の子守唄が無いと、泣いてしまうのでしょうか。...
誰しもやがて一人になる。 貴方の隣の友達だって、知らない誰かと歩き始める。 蜜に集まる黒蟻の群れも、餌が無くなればすぐに消える。 諸行無常と彼らは言ったか。...
いつも迷い込む行き止まりがあるように、 思えば古い足跡の記憶が通り過ぎるように、 継ぎ接いだ波形が異変を知らせるように、 惑い問われる無意味の価値。...
自分が何者であるかのように錯覚する。 自ずの影が常にあなたを殺そうとする。 哀しい風景が記憶から消えないでいる。 昨夜見た鼠は今夜何処で眠るだろうか。...
探しものがある。 何時の間にか、 逃げてしまったもの。 辺に散らばる易い衝動を、...
一等星が消えかけて、 「順番だ、」と僕は。 ゆっくり席を立った、痕を、 振り向かないで。...