おやすみを 言ったあとに 声をひそめて どちらからともなく 話し始める 月明かり ぼんやりと 照らされて 半分だけ 夢心地ね...
さあ でかけよう 出発の刻(とき)が来た 磁石も地図も捨てて 世界を股にかけ さあ でかけよう 出発の刻(とき)が来た みがいた靴に帽子 出会うべき人をさがしに...
祭り囃子に背をむけて 鳥居の向こうを指さして 街をなぞって嘘を吐く...
篭女 篭女 籠の中の鳥は いついつ出やる 夜明けの晩に 鶴と亀が滑った 後ろの正面だあれ? 捕らわれた籠ノ鳥 鎖に繋がれてた...
無い無いになるんだわ 感受性総動員で出した答えが バイバイして来んだわ...
指先は 逃さず 映す その靴 階段に 揺られる 額縁の 片隅 そっと 紙の鶴 羽ばたく 影像...
鏡合わせになれない 答え合わせもできない どっちつかずでいればよかった...
畳の下 ここで覘(のぞ)くのは淵 息も絶えて聞こえずに もどかしく荼毘(だび) 心地よくなる 蛇の目 縛り付けてあげる...
交わり拒んだ 交わりの中で 人は背比べ 忍ばせる刃物 羽蟲が湧いた 理解の外側 意識の氾濫 洪水 剥がれる嘘...
「僕の最後を看取るのは君しかいない 明日もきっと逢いたくて仕方ない いや いや いや いや まだ消えたくないや」...