「いざ…参ろうか！」 黄昏更けゆきて猫が啼く 行燈の灯消えりゃ鵺が啼く...
錆びついた鋼の 色した三日月 泡立つ闇の中 うごめきはじめる影...
下弦の針を 蜘蛛糸垂れ下げて 壊れた舟が 誰かを乗せてゆく ゆらり揺らめく 水面映す 影と夜との境界線...
高く高く輝いた月 夜の帳照らして 涙に暮れるこの祈りをどうか...
幾千の月日を彷徨い続けて 辿り着くその果ては永遠の迷宮 この身に宿る罪は赦されることなく 星の命潰えるその日を待ちわびた...
流る 流る 彩ずる時を ただ ただ 飛ばず鳴かずと 花は 淡く 暮れど世に経（ふ）る 枯れることも忘れ...
蒼い星に魅せられた 月を照らすお姫様 これは昔伝えられた 御伽噺...
古（いにしえ）は、永久（とこしえ）に 月はまだ遠く 止まったままの この時は ふたりの証になると――...
闇のとばりが 下りるころ 垣間見た夢の気配 幾千の月と 幾千の二月...
勘違いまた勘違い 遠浅の知識で勘違い 薄まる夜に染まれば やけに情が走り焦りだす 気付かないまた気付かない 色の無い景色描いてる...