一面見透かすような青 いまにも届きそうで 伸ばした羽根は鉛の重さ...
ゆるりゆるり 歩む様に 追い縋る群雲 からりからり 燥（はしゃ）ぎ立てる ガラクタの孤児（みなしご） 墨染めの夜（よ） 彩りの朝 羽織り継ぐ現蝉（うつせみ） 嫋（たお）やかな時雨 窄（すぼ）む大地を 静かに撫で下ろす...
青と白とが透明をつくる 全てが吸い込まれそうな冬の空 うすく汚れた足跡もぜんぶ消し去った...
このままあなたとわたし二人で 手を取り合ってゆきましょう 不埒で愛しい体抱きしめ 禁断の果実を選びとる 影差す場所に背を向けて 可能事象の輝点に眼を凝らす 天から堕ちゆくわたしたち 二人のため世界を変える...
足りないだらけの部屋を蹴飛ばして 退屈なのは誰のせいでもないのに 単純な事は知らないフリをして...
三十五分前の夜 大事な人はいなくなって 赤くそまった空の中 旅人は笑った… うそつきな大事な人「本当」を見せてくれたんだ 大事な手紙は両手にしっかりとだいてる...
遠く遠く見果てぬ夢を 追い求めては走り続ける 天空への塔 星への扉...
こんなにも長い夜 星ひとつ流れない ただ聴こえるのは時のあし音 まっすぐなその声は...
真夏に降る雪のように誰にも愛されず この大気に融けだした心は―― 遠く空を眺めて歎くような詩を聴いた...
平坦な道は退屈だけと決めつけて 斜めの場所探してた 心の整理もつけられないままの私 上手くいくはずなんてなかった...