触れたことすら忘れるようなやわさで しんと耳を刺す 静寂の中で 世界にひとりで 呼吸をした...
行く時が 攫う氷塵 かがり火が嗤う道のり 「旅人よ この冬の終わりは？」...
（白の回想） なれないピカピカの道具たち 初めはすこし怖かったけど それでもワクワク止まらなくて いつまでも夢中になっていたの...
灰を塗した心臓に 目に余るような幸福を 綺麗という名の宝箱 名前のない、瓦落多を見つけた...
勇敢な影が 突き放して見たんだ 遠くから 聞こえるノイズ 知らずに 君はその記号を 秩序を 言葉の意味を...
知らぬ間に日が落ちて雨音は消え去って 灯りともる闇の中 舞い散る想いの欠片 過去も後悔も今だけは溶けてゆく 君の笑顔思い出して見えぬ星に願う...
降り積もる光に 響いたエンブリオ いま胸に抱いて 歌を歌う...
息を吐く 透明の流氷（ざえ）のあいまに 映り見る星空は 何も語らない 流れ着く 幾つもの気球の欠片 誰の居た面影も 雪に滲んだ...
隠岐島 砕ける飛沫 佇む白き姿は 一羽の兎 赤き目玉に映るのは 愛しき故郷 海の向こう 因幡の地...
降り積もる白い雪 どこまでも続いた それぞれの道を歩く 埋もれていく足跡 バラバラに見えた だけど 足並みそろえて今 僕らの心が熱を帯びる...