流星に追いついて しまうくらいのスピードで 過ぎていったいつかの 運命がまとわりついて 透明になって 僕ら夢の彼方...
千切れた影は 針の筵(むしろ) 叫ぶように 嗤(わら)う怠惰 希(ねが)うせいで 朽ちた世界 満ちた月を 磔(はりつけ)にした...
驕れ笑え 不眠の至り カビた闇路を練り歩け生成り ここで 婦人の旅路は終わり ペテン師に騙され泣いている でもね 舌と舌鼻と鼻くっつけたら頭痛いのも治っちゃうのに...
隘路に根ざした毒蜘蛛の糸 まんまとかかった人々の群れ 鉄澱の中で見たときよりも 一層眩しく輝いていた いきり立った前頭葉がまだ 磨りガラスに向かってがなってる...
淡く儚く虚ろな微睡み 遥かまだらの渦の中 響く響く星屑の雫 いつか焦がれた虹のあと 黄昏の幻...
窓にはりつく 赤い月さえも 忘れてしまうほどの明るさ 凍える雲雀の 震えも収まる 樫の木はまだ エマグラムを刻む...
遠ざかる月の暈なら渇いて monochromeを取り戻していつもと同じcobaltに融けた から回る逆さのままの風見鶏...
或(あ)る砕かれたモノローグ いづれ澱(おり)に塗(まみ)れた飾(かざり) 欠落するダイアローグ 咎(とが)に焼きつけられた痣(あざ)に紛れる...
壁に沿って立ち並ぶプラタナスの影 グラスの向こうの景色と入れ替わる やがて僕の体も透明の中へ アスピリンは今日も効き目がないのに偉そうに笑う...
下り坂の終わりにある 赤い月の照らす時計 まだらの夜 途切れながら 渇く地平線に向かう 風車にかき消された 烏と蝸牛の影...