あふれ零れた涙と想いを すくうその指思い浮かべ ひとり夜明けを待つ ふたりに許されたのは その世界 覗き見ることだけ 消えぬ幻追い求め ふたりはその世界へ手を伸ばした...
そっとそっと 浮かべるの 静かの海へ 寂しげ箱舟は 離れていく 彷徨う風 落ちていく月 回る回る 恋の夜に...
月影も届かない 白く深い森を行く 落ちていく雫に 追憶を映しながら 星屑を溶かしたランプが 私の影を揺らし 聞こえない言葉は いつか虚空に消えていく...
静寂の砂上(さじょう) 見渡す一時(ひととき) 声にならぬ声を 心に描く 生温い日々に 生温く浸(ひた)る 愚か者たちが 慄く声を...
古き森の 古き泉 ほとりに住むは 白銀の魔女エルセテトラ 澄んだ泉は 遠い町並み みせる...
鏡に映った花の如く散りゆく 夢現 幻弄る手は空回り 窓からチラリ 姿覗かせた(僕らは)...
歓声の中 ステージの上で 銃弾に倒れる夢 最後に見た 映像の続き 繰り返し巻き戻され...
幾千の月日を彷徨い続けて 辿り着くその果ては永遠の迷宮 この身に宿る罪は赦されることなく 星の命潰えるその日を待ちわびた...
水面に映る貴女の顔が 消えてしまわないように 悲しく響く貴女の詩が 聽こえてしまわないように...
― 此処は、貴方が創り出した不可逆空間の中。 残りの命を大切に飲み干して下さい。 ― 固定観念たる空間でのみ、生きる事を許されざる細胞が、...