花の散る季節となりて 白に 埋む 死出の化粧と 凍て付いた枯れ枝に 巣食う 靡く 蜘蛛の糸...
記憶さえも途切れてしまいそうだ 笑う雲が陽射しをふさいで ...
傷跡が残るこの町並みを ずっとここで見ていた この町を出ていくまで...
名も無き丘 吹き抜ける風に遊ばれ 眠る彼の人の墓標の花を散らした 寒空の下 望む街は 白く雪に覆われ...
聞こえる 森の奥でこだましている 君の声が 静かに流れる水の森で...
君は見たか 空のはてまで かけのぼる 大鷲の はばたきを 翼やぶれ 疲れきっても 大鷲は 枯枝や小枝には とまらない...
遠く伸びる影の先で揺れている 葉のない枝が歌う 陽が落ちてく 僕を置いて行く...
二人で描き続けていた夢は叶うと信じていた ずっと ゆっくりと横切った思い出の日々は...
花の雪が散りて 積もるは溶けぬ想い 狂い咲く木々の下 独り 空を仰ぐ 枝先を離れ はらり舞いおちる...
降り立った駅は 日差し無い旅の寂然 僕と同じ 朽ちた木が 川の岸で見ていた 枯葉一枚つなぎとめるのが精一杯の 僕の小さなプライドを 君は 支えてくれたね...