消える影 灰の空 僕から君を攫う いつか見た 夕景は いまはどこにもない 満ち足りた日常と 御伽噺のような...
吹き抜ける夏の風 潮の匂いを連れ 遠くで鐘が鳴る午後四時 待ち人を乗せているマルーン色の電車 高架下を揺らすの...
滲んでく記憶と乾いてくアスファルト 耳鳴りの様に残ってく雨の音 澄んでく夕景 霞んでく君の影 メランコリックな空に 仮初のリフレイン...
誰にも見えない心の色 放課後 夕焼け 滲んでいく 確かな色だけ拾い上げて 同調求めてコネクト 愛想無しの君の言葉だけ 数えていたら...
深くなった夕闇の色が何も無くなった街を照らしていた 執着だった 点滅する灯を気にも留めないで日々を過ごしている 指を継がい輪を作って目を落として 間違えたくないことばかりを言い訳にして...
地上を這う人間の煩悩を全部詰め込んだような 蜷局が渦巻いた君と僕の狭間で ぐらり揺れる太陽光、奇怪をどう解こうか 水分が足りないと訴えている頭ん中で...
単調に吸い込んだ 音に合わせて 「成功」に気付いた 瞳の奥の 冷静な期待感 かき立てる様に 空が揺らいだ...
齢二十、乙女絶頂期。 花も恥じらうその美しさ。は過ぎた？ 三年は前か？ 「命短し、恋せよ乙女」が響く。...
変わらない日常を 送ることすらも 許されないならば 風景を殺して 窓の中の現実 窓の外の空想 失くした現実感 計れない感傷...