月影、満ち欠けつつ、夜の海にその身を映す。 風も無く、音も無く、ただ涼しげな光放つ。 透き通る、海の上、小さな舟、漕ぎ出て、...
いつの日か 君のこと やさしく感じてた それだけで 君の声 耳を傾ける 春の風に舞い降り 淡く香る時...
青い月に照らされ 彷徨う あなたの影 伝えたいこと 伝えられず もどかしく過ぎる日々 偽りの笑顔を 覚えて...
痩せた指 白い肌の少女は 夕凪の終わる頃 目を覚ます 感傷のシナリオは今捲（めく）られた 眠れない羊よ...
いま誰と観し日本の 風流と仰ぐ朧月夜 咲けや咲け 梅 桜 桃 の花 闇 彩れ 人ごみの あふれかえる公園路 訪れた春の薫り 憩う週末...
闇を染めて咲く花 はらりふわり 風に舞い散る 恋に泣いて色付く 仄か紅く儚い艶（いろ）よ やがて土に還る時 愛し人の真名を刻んで 縁繋ぐあやひも ゆるり根を張る 大地切り裂き...
風に揺られて 空に羽ばたいて 月を仰いだ その花弁が 夜の帳に はらはらと舞い 僕等へ 思いを 託した・・・...
嵐、駆け抜ける 荒野を踏み締めて 清き 深山の地で我（われ）を見つめる 全て 受け止める 身と心求めて 孤独、絶望も無（む）の世界へ投じる…...
朧げな季節に菫が揺れてる 少し早すぎると君は言うか 残り雪はただ溶けて消えてゆく...
花道を薄く照らして 寄せ木細工 音を奏でた 艶やかな上弦の月 雲に消えた 傘もないのに...