乾いた土にそっと 雨粒が流れてく 降りだした小雨が 黒い服の袖を濡らす 蓋つきのベッドで 花びら毛布は暖かい?...
休日 お昼過ぎ 小雨が降り 約束の時間がやってくるまで 近所の うらぶれた喫茶店で 雨露つきの一枚絵を眺めてる...
生きる喜び 知った後の痛み 一人もいない 冬枯れの町 手を摺りながら 君を想う 朝焼けに...
芝の上 ぷしゃんこの空き金 カテキンと蹴っちゃえば 咲かないミカンの苗木の 隅に埋もれた 円卓の水菜・ササミ肉・フカヒレ・かしわご飯...
曇天が故、鳰 色彩狂い舞う濡れ鼠 異臭も大気翻し 理解からないことなら人間頼み 溢れかえったこの世の常 数えきれない承認の群れ 両手に抱えたる命の束 誰にも言えない罪な仕事さ...
てんでわからぬその愛は 肺が汚れ嘘めくバイバイ 誰もしらない僕は誰だ...
嗚呼、小雨が降ってた夜です 盗ねた傘を解いたら どうにも格好が悪くて...
終えぬ勤めを今日も片づけて、 小雨染み入る夜三つの刻 身銭絞りて、悪酒を引っ掻ける...
お喋りやめて 僕ら手と手を触れたら いとも易く恋に落ちてしまうだろう ザラメのしかれた白酒に...
手を引いて 小道を抜けて この町を見渡せる人の来ない丘 背の伸びた夏草との間で...