母の声が聞こえる 優しい子守唄 まどろみの中 微かに響いて 白い部屋が朽ちゆく 闇に蝕まれて 記憶がいつか 見たような夢...
進め進め 木の葉を潜（くぐ）り あの橋を渡る 越えて越えて 頂目指し あの月の下へ 満ちる月 一夜限りと 紅く宵闇彩る 艶やかに 蕾ひらく 大輪花...
窓辺に咲く花 小さく明かりを灯し 私の心を 蒼く照らしてゆく 小さな箱に詰め込んだ 想い出を 引き出して紡いだ...
いつかの忘れ物 遠く彼方の夢 誰もいない海に たゆたう言ノ葉よ 窓越し 眺めてた景色の温かさに 恋焦がれてた 手を伸ばせば届く距離なのに キミはこんなにも遠い...
深く森の奥底の 忘れ去られた遺跡に 流る水の調べにも似たような歌声が か細く鳴く 闇に覆われ 頼る神さえ失われた人の希望は 神に仕えし 娘一人へと向けられた...
覗き込んだ水溜りに 移り込んだ空模様が 誰かの涙に揺れてた 疲れきった旅路の中...
朽ち果てた瓦礫の山に隠した 壊れかけたハーモニア 雨上がり虹かかる日の小さな手 埋もれた僕を起こした...
路 何処までも続く 風 勇気を運ぶ 空 全てを包み 歌 心を映す...
名も無き丘 吹き抜ける風に遊ばれ 眠る彼の人の墓標の花を散らした 寒空の下 望む街は 白く雪に覆われ...
華やいだ街に独り 時忘人は くれない色に彩られた壁 背にして 行き交いし人など目もくれず 誰を待つ 古びた剣 右手に小さく祈り捧ぐ...