糸を手繰り寄せ錆びた針(の穴)に通す。 擦れる音が 耳に障ります。 思い出の詰まった草臥‐くたび‐れた布と 額縁‐がくぶち‐の中(で)二人きり 痩せこけた顔。...
浮沈した冷たい海、沈む 嫌われる八本足、べにいろの珊瑚 沈没した船、舳先の女神 錆付いた錨のあいいろの廃墟...
黒く染まる空に星の虹が架かるんだってさ。 夏の涼しい夜に 四角い窓 見える青い光 瞳を覗くと虹彩に反射する鳥が微笑む...
きらりと弾ける 真冬のスターマイン 横にいる君へ、言葉は届くの? 夕方の茜空 「寒いよ」、呟(つぶや)くんだ 手をつないで歩く、遊園地は鮮やかで、...
丘の上、首吊りの樹々の落ちる陰。 木漏れ陽の中で二人の男が歩く。 憂鬱な表情である。...
割れた空見える 茨の森から この鋼の城 冷たい血の匂い 独裁る(おさめる)のは女王 冷血な女王 快楽のために 人を殺す女王...
圧縮 分割 解凍 解析 ドット ビット 並べ 配列 感情 実行 半角 全角 画面が滲む 氷の 粒子...
青い空の下「卒業だね!」と みんなの顔が寂しげに見える 最後の校舎、かみ締めながら 卒業式の扉を開けるよ 卒業証書授与式最中 君の顔がふと頭にうかぶ。 「これでお別れは寂しいよ…」...
さようなら、明るい未来へ。 目の前に見える箱の中に僕をつめて こんにちは、暗い未来へ。 箱が何かに引き摺られ、燃えて煙になってゆく...
別にあの、呼んでないです 何も用事なんてないから。 あ、本当に呼んでないです だからかえってください だからその、お帰りください。 土足で上がるのはやめてよ。...