黄泉比良坂を越えて来た 姿の見えない悪鬼羅刹 対する僕は...
娯楽の音に揺れる二等車を照らす 窓の光は色褪せたフィルムのようで 映り込んだ影は杯を交わし 狂い出した車両の調に体を預ける...
つよく つよく もっと力を つよく つよく もっと力を つよく つよく もっと“再生数”を...
ある日、強い風が吹いた 砂を巻き上げる春の嵐 2人の男がこの風の中...
愛憎 有す演題 閃光の縁談ず 羨望を狂わせるロジャーステップ 手結えい 下郎...
君を喰らい尽くしてしまう前に 別れの宣誓を 僅かな 憐憫さえ 消えて無くなるように しょっぱいスナックを 貪ったら...
暖炉の炎が煌々と霞む自意識を照らしだして 絵の具はやがて泥に変わり、それでも眩暈、美しく 各自の愚劣をぶら下げた、狂いに狂った蒙昧どもの 批評家気取りの値踏みの目、ここに価値あるものはないさ...
早く待ち合わせ場所に行かなきゃ いけないのにゾンビが邪魔する 初めてのデートなのに...
君に見えなかったはずの風景が、そっと瞼の裏を浸していく様を 君と見たこと、忘れたまま 光を失って久しいその眼は、セピアの映像に縋りついていた 君の手をとって逃げようとした、僕の背中を呑みこんでゆく...
冬の終わりに 髪を切るのは 誰も知らない 自分が見たくて 溜まりに溜まった 下らないぼくを ここで振り切って 走りだすために...