畳の下 ここで覘(のぞ)くのは淵 息も絶えて聞こえずに もどかしく荼毘(だび) 心地よくなる 蛇の目 縛り付けてあげる...
水晶の木に万華鏡の罅 街に滴る 消えない貌を...
裂けて熟したの 切り刻む柘榴 果汁は醜く とても鮮やかでした 頭をよぎるの それは花言葉 愚かしいなんて 最初から知っていて...
あえかに景色に融ける 命は紅く燃えゆく ここから見下ろす街に...
朧(おぼろ)な空 吸い込まれそうな憂鬱 翳(かげ)る心は虚ろで 隣にいた私が還る処(ところ)は 彼方の星がいいな 思い返す日々はいつも優しくて...
素にはない衣を纏う意、肌は見せない 空気に浮く意識の束、半透明 晴れる理由 陰る理由 響きの中で 感じ取れば 理解すれば自然になる...
とても遠い春の前に旅立つ背中を ただ 此処で片待てば千の景色...
うずくまる円の真ん中 一欠片 思い出が零れる 何も見えない街に 幸せはありますか? 明日出逢う君の残像 色とりどり...
公園と街 浜辺 紙芝居 切絵 はらり うみねこはただ鳴いている あー 恋が始まるのなら 空想 連想 童話も伝承も...
褪(あ)せないように文を いつか違う風にほどく 流れてく景色は何処へ向かうの? 私だけ其処へは届かない...