雨の音、走る カーテンレール 外れた金具 君がいないことを知ったみたい そうか もう1年も前なんだ...
解けかけの魔法 冷たいスープと テレビの中を覗くようなこと 隙間風とフォーク 裏返るカーテン 字幕のない、僕たちは...
全部、覚えているよ 君が何処に行ったって 大抵のことはもう...
急に週末が空いてしまうと 何をしていいんだか、わからなくなるよ。 部屋には、古ぼけた灰皿。...
タイルを見つめて歩いた午後 人の足音が通り過ぎていく 暖炉の横の温かい場所で 私は今日も息を殺す...
「会いたい」と私が愚図ったら、優しいあなたはまた会ってくれるかしら。 困ったように目を細める。私は終わるつもりでいたのに。 あなたの首元を覆うマフラーがいつから変わっていたこと。...
玩具の鉄砲と紙飛行機 それだけで充分だった 煉瓦の建物 古びた窓 『綺麗だね』 汚れたままで...
「明けない夜はない」って 夜が嫌いなわけじゃないから 向こう側がまた白くぼやけていく...
それはね、不自然なくらい鮮やかで 偏（ひとえ）に、穏やかな波の音を聞いている 三日で飽きた日記、書き綴ったのは 終わりへと向かう 夏の片道切符...
さようなら、さようなら 「私、何も言えなかったの」 雨に紛れる君を見送った...