鼻先で揺れる残り香消すように 足早に過ぎてゆく夏の風 制服のボタンも少しだけこすれて 通りのベンチさえも時を刻んでた...
頬を過ぎる潮風 君は黙ってるだけ 本当はその横顔 触れてみたいのに 口づけた気がしてた あれはそう、夢の中 現実の境界を 風がさらう...
消えた 花火の後は 苦い火薬の香り 燻る視界の先に 同じ高さの君の視線を見つけて...
探していた 好きになる理由を もっともらしい言葉だとか 気づいたとき 糸は縺れ合って 固結びがひどくなってた...
うだるほどに日が滲む 雲を見失った正午 あの夏へ引く波を背に...
思い出せるのは 遠くなる背中 滲む汗のように 湿ったままで 夢の中でまた 君と会えた場所...
思い出した。 記憶の隅にあった、 夢みたいに甘い日々を、毎日を。...
夜の空を飾る綺麗な花 街の声をぎゅっと光が包み込む 音の無い二人だけの世界で聞こえた言葉は 「好きだよ」...
梅雨が明けるまであとどれくらい? まだ紫陽花の光る朝 君の愚痴 夏の足音はすぐそこまで ねぇ迎えに行こって僕を急かす...
夏への扉 開けよう 誰かがきっと 待ってるさ なんでかな? なんでかな?...