小さな部屋は僕の世界すべてで だけど ここには何もないと思う それだけだった ブラウン管の果て...
それから僕たちは 無彩を塗りたくって 正常めいた...
たった一つの空白で全てカラフルにしてしまった 君の宇宙 平行線 向こう側で花が咲いていたって知らずに...
南の空に日が沈んで 何億年も経った 覚えてるかい...
あの旅路を思い出せ そうやって色を重ねて もうじき夏が顔を出す...
カーテンが風に揺られてあの雲が覗いてる 空だって青いのに 僕は壁の染みを眺めてる...
枯れた花を見ていた それがまるで綺麗だった 夕暮れの合図で街が終わっていく...
歩くことが上手くなれないまま 夜に置き去りにされて 過ぎてゆく日々を鳴らしている...
朝空の星みたくなれたらいいと思う 汽車に乗った僕がいた 白い丘の上、一人 水溜まりの空を歩けば淡く灯火が揺れるような...
深い水の底 誰かの言葉が潰れていく 現実感のない痛みは棘になって残っている...