首輪が好きなのね わたしにつけて あなたはわたしの 飼い主なんでしょう? 食べさせてくれるの バームクーヘン おなか空かせたまま 一人にしないで...
目が覚めて伝わる 色艶の無い温度 立ち上がろうとして崩れていく砂の足 海のような群青漂って...
光横たえる海神 創痕の間に揺らめく過ち 浮上して息を継ぎ 溶かされ混じるだけの憎愛を手にした...
晩夏の香り綴じる 薄い紙をなぞって 想い馳せる記録の束 甘い毒が腕に絡む...
まぶたの裏に浮かんで消える いつかどこかの光景 数えきれない夜を過ごして たったひとつの朝を待つ 無限につづく迷路のなかで 覚めない夢をみていた あらがえない いくつもの悲しみに なき疲れたうつせみ...