病葉泥濘るむ地上は つづく足跡 覆い隠して 斑に滴る月光 木々の隙間から僕を侵し...
(夢から醒めてもこの手を伸ばすよ……) 同じ強さで呼び合う 心になれるのならば 何人分の傷でも僕は受け止められるよ...
傷を負った若い獣が 檻に囲われ閉じ込められ 自由という名の荒野へと 駆け出す夢ばかり見る...
はるかな遠い昔 この手は翼でなく 双つの剣で 草いきれの褥で...
もし言葉を持たずとも 風のように わたしたちは 歌い続けられるかしら 誰に教えられずとも...
数えてみよ さあ心を 荊が巻く身体の中 あそこここにそこにも在り 弾け裂ける...
幸福の種 いかがと 地獄に棲む天使が 売りにくるのなら 不幸の方 お安く...
まぶたをあけてなお 闇ならば 夢の底に留まりましょう この身覆う白い緞帳(カーテン)に...
嘆キノ壁ハ 積ミ上ゲラレテ 愚カノ神ハ 奉ラレル 生きるは毒杯 杞憂の苦しみを 飲み干す術を誰が授けよう...