舞落ちた 楓の葉が 僕の頬を さっと切った 散りゆく影に この身を重ね...
春過ぎて、夏が来て、花開いて 秋過ぎて、冬が来て 儚く散る 移ろうは、四季の色、生命（いのち）の色 時を廻（めぐ）りて、あなたの元へ...
禁止裁定を受けて羽根を失くした八咫烏（やたがらす）が不意に呟く 「後ろの正面に白馬の騎士を。」 そんな泡沫（うたかた）の真っ白ゐ嘘 雨に空蝉時雨 雲に万時華鏡 嗚呼、暁ばかり憂きものはなし...
溜息に融け込んだ アナクロめいた十の指と 贅沢に混ぜ込んだ 自由に泣いた少女は言った 「虫の音よ絶えゆくなよ」 一鳴き応え窓の縁 月の端も暈かす憂世に 踊る人影...
黎明に散らす光 旋律のみ貫いて 惑わぬ瞳の薄紫 鋭く 黄昏に揺らぐ陰翳 戦慄のみ射す蔭へ...
はらり、色葉散らばった 石畳に影が踊りだした 綵花咲き乱れてなお 香ることなく ずっと待っていた 触れぬ君の手を引いて 鳥居くぐれば 想い密やかに 巡りめぐりゆく季節 月の満ち欠け ふたり見送る...
君の名前聞いてもいい？ 秋風に乗せてさ 優しい声 そこに君がいた 授業の後、自転車小屋の隅っこで待ち合わせ...
風は遠くに光る雲 日差しを浴びて描いてた 春風に匂いはじめ...
見えないその路の先 知らず土地に「其れ」はあると云うが… 遠くに響く言ノ葉 忘れ去られた 詩を唄っている...
いくつの夜を 越えてもまだ 変わらない日々を 今日もうたう 振りまく笑顔の裏側に...