今見た 手に触れた息を頂き喰らう僕 淡々と運ぶ 君 早々に糧となる 凛々と生きる芽に...
月の裏側まで連れていってね 誰も見えない場所へ 満ちる光の海まばたきしたら それは二人のシネマ...
汗ばむ季節に うな垂れて岐路を目指す 小さな頃には 笑顔で走ってたのに 些細な事でも 経験が邪魔をしてる 縛りつけてる...
赤い夕日がテトラを染めて 耳にうるさい波の風 くだる坂道 しなびた景色...
煌々ときらめく夜の縁に流れた君の声 「少しだけここにいて」願い想い途切れ消えた声 「少しだけここにいて」...
一筋の月も隠す雲が 闇を彩る 深く長い夜 灰色の街に続く道に...
メグルオト マチコガレ ソノトキヲ マツ 幾夜も俟(ま)つ 六花(りっか)踊り幢々(とうとう)と 星霜は垂(しづ)れ 鏤(ちりば)めて静寂(しじま)裂き 薄氷は剥落の澪(みお) 莞爾(かんじ)の音を挙げる...
銀色のスプーンに 君への想いを乗せて 紅色に溶かして 静かに飲み干そう 綺麗な終幕 せめて最後だけ...
幾度となく巡る俗事、観苦の日々 安楽を求めるなら 明日は凶夢 輝き来る日は曖昧に待つ 必ずしも与しない...
手袋嵌めた手のひら 今年も寒い季節が巡る 星がよく見える理由(わけ)も...