月の光り方は 幾度の愚者を引き寄せ 凪いだ杜の横に...
悪戯に 光り出す一つの鏡が有る それは何とも妖しげなモノ 悪戯に 覗き込む一人の愚者が居る...
水銀製懺悔めいた 深夜零時半過ぎ 触れられた唇 夜闇は囀る...
水銀燈の灯りを消して。 純白な洋装に左様ならを 拙らない映畫は是で了い...
ある日目を覚ますと 水銀の丸い太陽 遠くから聞こえている...
天国は遠いねえ、カムパネルラは如何惟う? 微笑えない冗談を 積上げては崩壊して 病室からの車窓は...
暗い四畳半の隅で同じ過ちを犯し続けている 口から吐いた煙の数だけ醜い自分を忘れてしまえた 夜が今日もこの部屋を喰らい尽くしてしまうから、幸福な夢の世界に逃げ込むのさ...
遠ざかる記憶がまだ この眼に揺れてても 鮮やかな花は散ったよ 季節は僕を追い越してく 光っていたはずの月 どこへ行けば会える? ガラクタのこの街で遠い宇宙を眺めて...
空気の粒が ひとつひとつ 氷みたいに冴えて小さく光ったから 君は迷ってしまったのかな オゾンの流れる音が ひとつひとつ...
指が触れてこぼれた水から きみの声が聞こえた気がした 虹色にきらめいてぼくの世界で動きだす...