「別れ」というものを僕らはなぜ 「悲しい」という感情で理解した? 同じような季節(なつ)が終わるだけだと...
消えそうな蛍の灯 夜の静寂に揺れて ぼんやりと見えてる...
永い物語が終わる 皮肉なほど空は青く これから始まる地獄を...
まだ忍び足の春の影 窮屈な制服着て走る 少しだけ空に近くなって 青い風も夢も去年よりも早足になっていく 流れていく時間に 抗うように生きてきた...
もしこの世界に色が無くて すべてがモノクロだとしたら <夢>とか<希望>なんて言葉は きっと酷くて脆いガラクタなんだろうなぁ...
いつも見ていた 風景は死んだ 僕たちは海の底に 手遅れの世界を見た 生きていたことはどうせ 忘れて 水に融ける...
宛てもなく一人 飛び出した午後二時 止めどないふきだし 心の中に溜め込んで 伸ばした腕から 生えている青い空...
気味悪い空 生温い風 不活性化した手も 腐り始めたこの足と 太陽に焼かれてすり替わる...
水槽の中でもがいて死んだ 金魚を病院に連れてかなくちゃ 君のことを消してしまう前に...
青く澄んだ夏の風 埋まらない距離を嘆く午後の窓辺 心揺らす上昇気流に...