月明かりの影を踏んで 私は一人きり 真ん丸には少し遠い 横を向いた白色 月は遠く 腕を伸ばしても 冷たい夜 急に吹いた風...
真円の月 見上げた ひとつのつぼみは 大人になる 暗がりに咲いた儚い白い花は...
夜空は陽を沈めて 辺りを闇が囲う 月明かりを頼りに...
舞い上がる花びらと 舞い散る思い 触れるほど 不確かな思い出 揺れる髪 風 止まぬ音 咲き誇る あの日と同じ夢現...
煌いた ぼく達の 愛おしい日々 総て幻 消えていく運命なの? ぼく達は いつも一緒で 歩いてきたの(あの時まで) 長い影 連れ「また明日」と笑い合って(別れたよね)...
その声をくださいな 一度でいい呼んで 呼んで 暗い夜を纏って...
遥かな夜の彼方に 草原を渡る風の音を聴く 揺らいだ花の囁きは 月明かりに祈る歌を詠ずる...
もう痛みは感じなく 裏切りを繰り返して 擦り切れた心のまま 彷徨う 鬼の鳴く、夜に、己を満たして、 感情も 捨てることで 導かれるまま...
髪飾りとうに殴り捨てた 町の 娘は もうやめた 愛す 君を 守りたいから...
花も十七 娘も鬼よと 暗い屋敷に 祀られて 坐した少女は人身鬼面よ...