ちいさな若葉がのびるよに りょうの手 空にさしあげて 大地のかおり すいこめば わたしが緑にそまってく...
夕闇迫る雲の上 いつも一羽で飛んでいる 鷹はきっと悲しかろう 音も途絶えた風の中 空を掴んだその翼 休めることはできなくて...
空の 孤独な鷹よ 風に 抗いながら そこにあるのは 光と闇 一人だけの 空...
通りを行きかう 人影もなく 路地裏に響く 呼び声もない 焚かれることない 凍えた炉辺 閉ざされたままの 小さな扉...
昔々の その昔 歴史が始まる 前のこと 二つのものは 一つだった 二つは同じ 一つだった...
幾つもの昼と夜を越えて 幾つもの海と島を渡り 真の光を探し続け 彼の旅は未だ終わらず...
別の人になりたい わたしじゃない別の人 どこか遠くの町にいって 生まれ変わってしまいたい...
白く凍った朝の丘で 真っ赤な宝石見つけました 霜をまとったナナカマドの実 吐息で溶かしてあげました...
空に終点はあるのかしら どんな道も終点があるでしょ 大地にも終点があるわ 海にも終点があるはずよ...
ひとつの秘密を埋めんとして ふたつの踏み分け道をたどり みっつの水辺を彷徨い歩く よっつの宵待ち草咲く夜...