賢い鴉（からす）が 独り黒い化粧（けわ）い 待ちわびた この瞬間 千もの秋を 憎悪（いかり）に養い 果たされるべき約束 目の前にした...
闇の中に月は白く 時を止めて眠るかのように 長い夜も息をひそめ 遠く光る...
心に残る かすかな記憶は とぎれた歌のように 昨日をつなぎ止める...
あの雲はどこへ行くの 冷たい風に吹かれて すれちがう人の群れ 渇いたためいきが響く...
闇の中怯えて誰がそう言った 陰は時の裏側か 世の中のすべてが裏と表なら 俺がひとつにしてやる...
晴れた空につながる どこかじゃ 雨が激しく 降ってるかも知れない そうさ今 どこかで誰かが 悲しい雨に打たれて 救いを求めている...
それぞれの言葉 それぞれの速度 背中合わせ いつも決めこむクセに マイナスの中でプラスが揺れてる それがたぶん オレたちなりの友情...
戸惑いに揺れるな たとえ何が起きようと 静かなる瞳なら 真実は見つかる...
きらめきたまえ 運命（さだめ）の星よ 今、薄れ行（ゆ）く 意識には 望みは遠く 夢は虚しい さあ、一息に 消してくれ...
憂いの時代（とき）がきて 希望（ひかり）を求めるたび 言葉の魂は 民の心で輝く 月が山の背に沈み 日が昇る少し前 美しく淋しい時が流れる...