寂しいだなんて今は 声に出すことさえできなくて 凍える吐息に乗せた 溢れる想いあなたに届けば どうしてだろう 脆く 脆く セピア色に染まった...
紡ぎ糸 微細な音 天からこの場所に来て 冷たく澄んだ更紗の滄...
「愛してる」の言葉が街に 蔓延(まんえん)する深夜二時前 撹乱(こうらん)した黒いベールは 意味も成さず剥がされていく...
見知らぬ世界の門で 刻(とき)のざわめきを聞く 「掟破りの【姫】に...
縺(もつ)れだした知恵の輪 星占いのとおり 願いの向こう岸の 微かな煌き...
小さな肩を並べて歩いた 何でもない事で笑い合い 同じ夢を見つめていた 耳を澄ませば 今でも聞こえる 君の声 オレンジ色に染まる街の中...
君は今 涙流した 泣きじゃくる子供のように たとえ未来(あす)が見えなくなっても守るよ 夏の空見上げてニラんだ...
動かない銅像が 通りを見つめていた 灯りの点る窓を 風が叩くよ 叶わなかった夢を...
奏でて夢 夜を越えて 満ち欠ける紅月(つき)の影 そっと 哀しみの鼓動震わす 彷徨(さまよ)う引力...