【幕開】 仇は、目の前で眠っとった 今や 帳が空へ降りて 闇に 朧げな浮世月...
一人っきり あの子は泣いていた 逃げ出した過去の無力 思い出して 大切な記憶を ひた隠し 生まれてはいけなかったと泣いていた 事変の荒波が 畝りをあげてゆく いづれ誰もが通る 別れ道へ...
ふさわしい 徒花 抱いた嫌いは逆しま ただ曖昧なままの光に 合言葉 照らした 割れた鏡 止まれない ごっこ 窓を失くして...
寄る辺のない孤独な旋律はたおやかに谺(こだま)する夜の声と消え 幸福はアイスのように溶け落ちて 少女は淡い本の上で踊る...
春を待つ、私は徒花 幸せに怯える、 潰える愛では今日を越えられないから...
ようそろう 面舵いっぱい夜の方 街を抜け出してまた幾星霜経て 追慕払い向こうへ ようそろう 悪戯いっぱい仕掛けていこう まるで素っ頓狂なあいつらの顔が見たくて仕方ないさ...
皹をつけたのは誰? 傷をつけたのは誰? 綺麗好きの神様は言う...
有耶無耶な夢は不意に覚めて 目眩く夜と 過去がコネクト あちらこちらへ 低徊 往来 また振り出しと 賽の目が笑うの...
融けた祈りとペンデュラム、 水晶の夜に灼かれた荊を抱いて、 十六夜を待つ。 静寂の夜闇に抱かれる、...
滞りなく迷走 夢見心地の愚者は浮世離れ 朝焼けが見えるのに...