絡め取ったその指先で形どった秋の調べ まだ揺れている夢うつつ 離してくれぬ木槿の過去 枯らしきった涙の色 透明で美しくて...
鈴の音響く高架線 夕焼け色に染めちゃって どこにでもあるような灯篭を見上げた 繰り返す少女は堕ちる 時計を逆に回して...
荒野はただ延々と 徒然を携えて その灰色を 否定も肯定も...
※1 浮世はまだ いんぐりもんぐり 交わす盃 明郎な方の貴方様...
ひとつ 人の夢と ふたつ 触れた肩 みっつ 見つめた瞳と よっつ 宵の恋...
さらりさらら 風が吹いて 春はまた来たりて ほろりほろろ 花はほころぶ 貴方に微笑んで 春の宵 朧月 花の色 揺れて乱れる...
月陰る闇に咲く華 底知れぬ深淵を見つめた 時を漂い続けた君は...
風船に囚われたるは 心優し可愛や蝶々 折り紙の鎌いつ振ろか 宵に火の花咲くまで...
季節廻って 今年もまた 同じ匂い 彩を喪くした 写真の中で 微笑む笑顔 特別な日だから 浴衣を纏い 紅を引いた...
望月の頭(こうべ)垂れる輪の 花の如き笑みゆへに ひらひらと舞う夏虫 火に入るが如き人の宵...