プールサイドのフェンスにもたれ 水面埋(う)める銀の波見てた 首を傾(かし)げて「嫌いなの…」って 聞いた君の瞳が潤んだ...
夏のパラシュートを青空に 広げた少年たちが手を振り まぶしい7月を抱きしめて グランドに降りて来る...
青春(とき)は金色の夏のオーロラ 君が消えた写真(フィルム)の上に たったひとつだけ動かない影 誰の帰りを待ってるの...
飛行機雲が空に残っている ふたりの夢の抜け殼みたいに 悲しみが僕たちを大人にしたの? 青い空が瞳にあんなにしみた...
風吹くスタジアム 俯(うつむ)く影がふたつ 冷たい人ねって君の頬が濡れた あいつのいちばん大事な...
短かすぎた夏が終わるよ…… 三つの影 黙り込んだ水面さ 「好きじゃない…」と嘘をついたね 彼(やつ)と僕が君をはさんで...
昼下(ごご)の劇場にぽつんとひとりで あなたが待ってた 背後(うしろ)から見ると少年の頃の 面影があるね...
川面に映った飛行機雲 小石で揺らして 黙って泣いたね 何か僕に隠しているの...
まっ赤な詩集の隅 初めてあなたからかけられた 言葉が写してある 息切らせながら坂道を駆けた...
白い夏の制服に 切なさを隠して 海岸(うみ)を見てる横顔に 不意にキスをしたの...