隠岐島 砕ける飛沫 佇む白き姿は 一羽の兎 赤き目玉に映るのは 愛しき故郷 海の向こう 因幡の地...
誰かが造った妄想（イメージ）に 自分を重ね合わせて ぎこちなく踊ってみたり...
空を仰ぎ 風まとい 調べに身を委ね 時を忘れ 気の向く侭に 森の兎と さあ踊れ...
篝火（かがりび）灯して 虫の羽音 鈴の音 輪を囲む童（わらべ） 今宵祭りの日か 人も妖（あやかし）も境界もぼやけては 盃（さかずき）交わして 囃子（はやし）と肴（さかな）に...
翡翠染まる木々と ただ二人紡ぐ言葉 袖の時雨と 混じり溶ける日々に 折鶴一つ 今交わす視線二つ まだ残る胸の音...
言葉を求めるには臆病すぎた瞳 そこに映る景色は雪よりも白い孤独 兎は寂しいと死んでしまうらしい 命尽きることより、生きている方が怖い...
その目は泣きはらしたような赤さで夜空を見ていた あれから時が流れてもその目を覚えていた 雪降る荒れ野をさまよう白さが鮮やかに跳ねた...
さぁ、戻ろう。 あなたを匿う家へ 梟はやがて知らせるよ...
真昼の月の蒼い影には 暗い目をした孤独な兎 小さなクレーターに座って 壱日中蒼い星眺め...