夕焼けはいつまでも大空を飲み込んで いたずらな秋の色を見ていたら怪我をする 見慣れない夜の街...
穴のあいたセーターを取り出して 寒くなってきたみたい 忘れていた冬のはじまるにおい...
言葉が足りないばかだとわかって あたまが朝になる前みたい 当たり前なのになぜかむずかしく...
このまちのこはしっている あんぜんなばしょはたくさんある おおきなとおり あかるいへや...
あ、あー、聞こえてるのだ？ きこえてる、のだ？ 今朝もまたいつもどおり家をでていくのだ...
港沿いは曇天で波風が立っている 腐食の進んだ鋼材と機械油のにおい 「嵐がくるよ」って誰かが言っていた...
麺にお湯を注ぎながらフタに手をかけると 湯気にのっていつの間にか海鮮のにおいがして 食欲をこらえながら三分がまんすると...
燦然かがやく彫像の口に構えたる宝玉と 東西ふたつの巻物が何かのありかを示すと云う ビルの合間のカフェテリアで目印の男との密談は...
着替えた同じスーツはいつの物 地下鉄の風が僕らにぶつかる 髪の毛を切ったばかりで心地良い...
だいちのかみとてんのかみ 祝い事には供え酒 おどれうたえこえならせ...