さよならも言わず キミがくれた慰めの涙 道に捨てて 街を出てゆくんだ あの日の空に 粉々に砕け散った...
残されたのは石に刻まれた一枚のメッセージ それは償いでも栄光の日の物語でもなく 旅のはじまりと記した座標と星座を示す あこがれなどすててゆけ もうここには何もないと...
ねえ、きみが目指した蒼天に架かる橋を どうして消えるまで見つめなかったんだろう そうね、この場所では誰もが優しくて 寂しさの意味なんて忘れてしまったんだろう...
偽りの楽園を目指すほど空は遠くて どうかその道を照らして 都市(まち)を駆け抜けた風の中で...
その風を見たのは雲のゆりかごの中 強い鳥に育てと笑う声を聞いた やがて誰より速く高く飛べる翼を...
雨雲色の黄昏が 世界を丸く包んでいるわ 終末なんて大袈裟な日は 案外地味にやってくるのね...