しゃなり 通り過ぎゆく 彼のひとはよもぎ色の帯 色めかし菖蒲の袖 翻すは百合のようで 縹の色無地を召し 闊歩するはいとうつくし...
南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 この世のなごり 夜もなごり 死にに行く身をたとふれば あだしが原の道の霜 一足づゝに消えてゆく 歌も多きにあの歌を 今宵しも歌ふは誰そや 聞くは我 ...
枝の折れた樹は なにを伝えるのか 音のない風は 何処へ吹くのか 幸せはどれだけの 悲しみの報酬(むくい)でしょう 涙の嵩 測る日々よ...
遠くで雷が 聞こえる夏の日は 君が泣き出すから 肩を抱いた 夢の続きを 話してあげるから 瞳閉じてごらんよ...
チューチューゼリーがないときも 広がる青空がある限り グーグーとおなかが鳴るときも 朝日がまた顔を出す限り...