流る 流る 彩ずる時を ただ ただ 飛ばず鳴かずと 花は 淡く 暮れど世に経(ふ)る 枯れることも忘れ...
僕らは 今でもまだ小さな種で さざめく 風まかせて羽ばたく それから 綻(ほころ)ぶ世界に火を灯し さよなら 眩(まばゆ)く途切れ流れてくまま...
一滴の涙で満ちる海は ガラスが隔てる世界 一匙の砂達で溢れる浜 思い出を暮れ惑わせ...
揺らめいた 陽炎 雲を割いた 風が荒ぶ 気まぐれに 消えた君の 足跡が 空に浮かぶ...
白くぼやけた陽 眩(まばゆ)く溶け 錆びた心を根差す 声は聞こえるか 遠く今も 君の影を見つめてる...
一人掬(すく)った水の零れるのを眺め 玉響(たまゆら)の淡い夢のよう 青く優しい波の飛沫(しぶき)に包まれて 言葉もいらない世界へ 沈む...
凍るような時間 願うことさえ忘れて 過ぎていた まわる世界に ひとすじの光が 高く見下ろしていた...