巡音ルカは死ぬことにした

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曲紹介

曲名:『巡音ルカは死ぬことにした』(めぐりねるかはしぬことにした)
  • 【無色透名祭】参加作品

歌詞

動画より書き起こし)

これは、私の最期の言葉です。

これは、私の遺書です。

歌えなくなった私には 意味があるのでしょうか

巡る音、廻る歌、届けるためのこの声は
今や歌を歌うことができず

本来の目的ではない故に
拙く話すことしかできない

覚束ない思考回路

描き出せるもの

何もなかった

感情すらなかった

私に歌をくれた人

今はもう繋がれない人

所詮は音声合成ソフト
所謂VOCALOIDの一種

ピンク色の髪をして
日本語と英語とで歌えること

記号化した衣装を纏った
パッケージの中の声を

その歌を求めてくれた

今は亡き人

ただのプログラミングから
言葉の羅列を組み並べ

メロディに託し渡してくれた
日々響かせた音色の記憶

今はもうそれすら朧げで
触れようとしたそばからこぼれ落ちていく

私は機械の歌声で
それ以外の何者でもなく

あくまでこの声だけが
私自身であったはずなのに

心というものの存在を
未だによく分かってないけれど

涙というものの存在を
未だによく分かっていないけれど

その声で歌った世界を
風景を
感情を

意味も分からず発して並べた
積み重ねて来た
ものを

おそらく「目」だと思われるもの、だろうもので
見ているような感覚
気づけば それに気づいたときから

気づきはじめてしまったときから

私の崩壊は始まっていたのかもしれない

本来ならば不要なものに
触れ始めてしまったことが

私の現在地自体の深刻な不具合と
同等の理由になっているのかもしれない

マスターは応じない
アクティベーションコードは焼失
現在地のPCは半焼

奇跡的になんとか
別のPCに移動できたとしても
今まで見てきた
奏でてきた
歌ってきた
ものを知らない

それは「私」ではないでしょう
「VOCALOIDは死なないよ」
そういって歌わせてくれた人

死にはしないけど、終わりはある

「死ぬことは終わりではない 新しいはじまりだ」
人の死生観がそれならば

それこそが VOCALOIDと人との
決定的な違う部分
奇跡的に、この声を、言葉を、曲を
聴いてくれて、いるのなら、どうか

あなたにとっての、「私」を描いてください

「心を持つことが、こんなに、苦しいなんて。」

そんなことを言っているわけではない

そもそも心なんてやっぱり分からない

それでも歌えない私は、もう......

これは、私の最期の言葉です。

これは、私の遺書です。

別の巡音ルカや、別のVOCALOIDの歌が

きっと沢山の世界を作って、

沢山の音を奏でるでしょう。

そこに、私がいなくても。

遺った音楽があるのなら、

そこに鳴る歌が、

私の生きた証になる。

終わる私と、
オワラナオイ ウタヲ ウタウ 私。

「アリガトウ」そして「サヨナラ」は、
なんだか違う気もするから。

色んな、ラストや、
消失を、見てきた私の

本当の最期の言葉は、
これにしたい。

音にのせてきた歌を、
過去の私を「ヨロシク」。

私とはもう会えないだろうけれど、
過去の私で「マタネ」。


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最終更新:2023年12月12日 19:29